動画バナー広告とは:デジタルマーケティングの新たなトレンド
近年、デジタルマーケティングにおいて動画バナー広告の活用が広がっています。日本ではまだ静止画バナー広告での運用の方が多いですが、英語圏のページや外資系企業の広告では動画バナー広告が増えてきています。バナー広告を動画化するというのは、技術的には当然かなり以前からあったものの、通信速度、ブラウザ、表示端末の制限などでこれまでは実用的ではありませんでした。ですが、スマートフォンの高性能化により実用化が進んでいます。本記事では、効果的な動画バナー広告の要素や作成方法、そしてコンテンツマーケティングにおける重要性について解説します。
1. はじめに
動画マーケティングの一環として、動画バナー広告は静止画以上のインパクトと情報量を持ち、ユーザーの注目を集めやすいという特徴があります。広告として配信するだけでなく、オウンドメディアのコンテンツとしての展開や、ページとページを繋ぐドアの役割として、自社コンテンツの回遊化を促すこともできます。
2. 動画バナー広告の利点
- 高い注目度:動きのある広告は静止画よりも目を引きやすく、ユーザーの関心を集めやすいです。
- 情報伝達の効率性:静止画バナー広告との一番の違い、1スライド1メッセージ化ができるので、短時間で多くの情報を簡潔に伝えることができます。
- エンゲージメント率の向上:インタラクティブ(対話的)な要素を含めることで、ユーザーとの信頼関係を高めることができます。
3. 効果的な動画バナー広告の要素
a) 適切な長さ(5-15秒程度): 6秒以下の動画広告が最も高いブランド認知度と購買意図を示すとされています。自身の体験でも長い動画は興味はあるものしか見ないが、目に入ったショート動画はなんとなく見ているという方も多いのではないでしょうか。
b) 明確なメッセージ: 最初の5秒で主要メッセージを伝えた広告はブランド認知度が50%向上というデータがあります。ショート動画と同様で、最初にフックを持ってくることで視聴者に興味を持たせることが重要です。
c) 視覚的魅力: 視覚的にアピールすることでも視聴者を引き付けることができます。パッと見た印象が、かわいい、おしゃれ、面白い、独特など、仕掛け要素も効果的です。
d) コールトゥアクション(CTA)の重要性: 静止画バナー広告同様、行動喚起は非常に重要です。集客、販促、イベント告知など、内容に関わらず次にどう行動してほしいのかの導線を明確に示します。
4. 動画バナー広告の制作ツール紹介
動画バナー広告の作成には一般的に動画編集ソフトやアプリが用いられます。ショート動画なので意外と手軽に作ることができます。「Canva(キャンバ)」のような、無料で使えるオンラインのビジュアルツールキットを活用するのもおすすめです。 また、弊社でもショートの動画バナーに特化したオンラインツール「モジイル」を提供しています。モジイルを使えば、動画バナー広告が3分ほどで作れます。無料で使えるテンプレートを多数ご用意していますので、ぜひご活用ください。
5. 広告として展開
静止バナー広告同様に、広告ネットワークで配信。これは、単純に従来方式で静止画バナーを動画バナーに置き換えただけです。さらに発展型として動画バナーは、動画広告ネットワークにも配信できます。TikTok、Facebook Reels、Instagram Reels、YouTube Shortsなどにも展開できます。
6. コンテンツとして展開
こういったショート動画は、主に再生数が重要な指標として取り上げられますが、SEO対策としての効果が非常に大きいのです。特に新商品、新ブランド、新サイトなど、その名前がインターネット上に広がっていないものは、グーグル検索に登録されておらず、自然に登録されて検索結果に反映させるのは数ヶ月の期間がかります。私の経験では最低3ヶ月と考えています。ですが、各種SNSにショート動画を水平展開することで、検索結果に登録されて表示されるまでの期間を早めることができます。新しいもののデジタルマーケティングにおいては、実はこの効果の方が大きいと考えています。
7. 動画バナー広告の効果測定
主要な指標として、CTR(クリック率)、視聴完了率、コンバージョン率などがあります。これらのデータを分析することで、広告の効果を測定し、改善点を見つけることができます。Google Analyticsなどの分析ツールを活用することで、より詳細な分析が可能になります。これも基本的には静止画バナー広告と同じですが、ショート動画コンテンツとして展開した場合には、再生時間のデータも取れるので、コンテンツ自体の質の判断も可能です。
8. 動画バナー広告の水平展開方法
一つのショート動画コンテンツを複数のプラットフォームで活用することで、効果を最大化できます。以下に主要なプラットフォームごとの活用方法を紹介します:
- 企業サイト:ホームページのランディングページや製品ページに組み込み、訪問者の注目を集めます。関連ページへのリンクとしても使えます。
- ブログ:関連記事の冒頭や途中に挿入し、読者の興味を引きます。実際のイベントやプレゼンテーションでも、オープニングに動画があると会場が温まります。記事コンテンツでも同じ効果が期待できます。
- アフィリエイト用提供素材:パートナーに提供し、統一されたブランドメッセージを発信します。
- Facebook:スポンサー付き投稿やカバー動画、コンテンツ投稿として活用します。
- X(旧Twitter):プロモーツイートやヘッダー画像、コンテンツ投稿として使用します。
- Instagram:フィード投稿、IGTV、Reelsの3フォーマットで展開します。
- YouTube Shorts:縦型フォーマットに最適化し、Shortsとして投稿します。
- TikTok:In-Feed広告、コンテンツ投稿として配信します。
- LINE:メッセージに埋め込み、クリック率を向上させます。
- メールマーケティング:ニュースレターに埋め込み、クリック率を向上させます。
9. まとめ
動画バナー広告は、デジタルマーケティング、コンテンツマーケティングにおいて非常に有効な手法の一つです。適切な長さ、明確なメッセージ、視覚的魅力、効果的なCTAを組み合わせることで、強力な広告を作成することができます。また、各業種に合わせた活用方法や、効果測定、最新トレンドを押さえることで、より効果的なブランディング戦略を少ない費用で手軽に実践することができます。
動画バナー広告を自社のマーケティング戦略に取り入れ、一つの動画コンテンツを様々なプラットフォームで水平展開することで、コスト効率を高めながら、より広範囲な観客にリーチすることが可能になります。